【味わいの特徴】

ベルジャン酵母、麦芽ブレンド、黒蜜によるダークフルーツのような深い味わいとバランスのよい重なりを存分に堪能できる設計。

【名前の由来】

「あの曲はなんて心地よいのだろうか。」

人々に愛される曲には、まるで目の前の世界を一変させるほどのイメージが溢れ出るような旋律があったり、体中から力が抜けるほどに甘美な音色があったりと、特別な何かが存在するはず。あの素晴らしい曲をつぎつぎと生み出す音楽家は、きっとその秘密を心得ているに違いない。

【醸造家の声】京都醸造の原点ともいえるベルギーの伝統的なビールスタイルに再びアプローチする帰還シリーズでは、これまで伝統的なスタイルに少しのツイストを加えたビールを造ってきました。そのどれもが個性を持っているのですが、特にダークなデュベルとクァッドには特別な想いがあります。そして、今年はベルジャンシングル「門外不出」より缶内二次発酵を施した製造方法にシフトし、これまで以上に伝統的な製法に近づけました。このデュベル、内密和音も二次発酵によってどのように仕上がるのかドキドキ、ワクワクした気持ちで仕上がりを待っています。

デュベルは、幅広い多様性を持ちながらもとてもシンプルなスタイルで、通常は麦芽の代わりに黒糖からその色と豊かな果実のような香りを得るのですが、この発想から、昨年造ったクアッドで初めて使用した黒蜜糖を再びこのデュベルで使うことにしました。そして、カラミュニック麦芽を用いて、もう少し深みのある味わいとこのビールの特徴のひとつである美しいルビー色に磨きをかける狙いです。

現地ベルギーの完璧といえるデュベルにはまだ程遠いですが、今回の内密和音の出来にはとても満足しています。アルコール度数が高いにもかかわらず、ドライであり風味豊かなフィニッシュはもったりとさせないどころか飲みやすさすら感じてもらえる仕上がり。ハウス酵母が麦芽由来のドライフルーツのような個性を見事にひきたて、黒蜜が上品な甘みと深みのある香りで特別な余韻を残します。ビール内の様々な要素がぶつかり合うのではなく、うまく重なり合った結果、それぞれを高め合い、得も言われぬ美しい旋律を生んでいるように感じます。さらに、缶内の二次発酵が進むにつれ熟成度が増すので、時間の経過とともにめくるめく味わいの変化を楽しめる仕様です。

※完売の際はご容赦ください。